ベトナム
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ベトナム 障害関連の主な法律

  • ベトナム憲法(1992年制定、2001年改訂)には、「高齢者、障害者、孤児は国家によって支援される。国家と社会は障害児が勉強しやすく、適切な仕事に就きけるような環境を作る」と記載されている。障害者の保護は、憲法59条と67条に言及されている。(NCCD 2010:9)
  • 障害者法 (Law on Disabled Persons)

    本法は国会により2010年6月17日に制定された。ベトナムで障害者の権利を認める初めての包括的な法律である。障害者の健康、リハビリテーション、教育、雇用、職業訓練、文化、スポーツ、エンターテイメント、交通、情報技術など各種サービスの改善とアクセスによって、障害者の平等な参加を命じている。【Vietnam Assistance for the Handicapped (VNAH)とUnited State Agency for International Development (USAID)のプレスリリースより】

    また堀場は修士論文で、本法を1998年の障害者法令と比較し、以下のように分析している。

    「障害程度区分・障害者証の導入、平等な社会参加・自立生活の権利を言及、社会開発政策における障害問題のメインストリーミング、人民委員会による意識啓発、障害者団体の政策立案・実施への参加、障害区分審査会への参加、地域保健の保障、障害者のCBR参加、インクルーシブ教育の原則化、教育・職業訓練施設における合理的配慮、障害を理由とした不採用の禁止を一般企業にも拡大、公共交通機関における障害者への配慮、メディアの情報バリアフリー化の義務化、自立生活センターを含む障害者支援センターの設立、各省庁による障害問題への協力と責務の明確化など、障害者権利条約を意識した障害者の地域における生活の権利を広く認めるものとなっている。」堀場(2012:15)

  • 障害者法令(Ordinance on Disabled Persons)1998年

    2010年の障害者法以前の障害者関連の基礎的な法律。1998年7月に国会常務委員会により可決され、11月1日に施行された。内容は、1)一般条項、2)医療、3)教育、4)職業訓練と雇用、5)文化・スポーツ活動、6)基金、7)国家行政、などである。

    VNAHのプレスリリースによれば、この法令によって、以下のような改善が見られた。
    1. 障害国家調整委員会の設立
    2. 公共の建築物に対するバリアフリー・アクセス条例と基準の施行
    3. 公共交通機関に対するバリアフリー・アクセス基準と規則の施行
    4. 5年間の障害国家行動計画の実施
  • 初等教育普遍化法(Law on Universalization of Primary Education)1992年:極めて困難な状況にある子供への初等教育提供
  • 労働法、第3部(Labor Code, Section III)1994年

    障害を持つ労働者への社会と国家の責任を規定している。障害者に対する、財政的支援、減税・税控除、戦争障害者のための職業訓練所、事業所向けの低金利ローンなどが規定に含まれている。